U17 Dental Clinic

今治市の中心市街地に建つ歯科の改修である。

ここでの計画は、プログラムの変更とロゴ・ファサードデザインそして2つのインテリアデザインである。もともと2階で診療していた歯科を1階へ移し、1階にあったLDKを2階へ入れ替えるといった時代の流れに沿った改修とも言える。大雑把に言うと概ねのプランは既存の窓と動線によって決まり、そこに用途、機能と感情によって表現(素材、色、ディテール)が決定している。

まず1階は、新たにカウンセリングルームを設け 個別にゆったりと対応できるスペースを確保する。このカウンセリングルームからは、坪庭を眺めることが出来、一坪にも満たない坪庭だが自然を感じることが出来る効果は大きい。清潔感のある白(歯)のインテリアを基調としながらも、単調でない診察コーナーのレイアウトと照明デザインまた窓のトリミングなどで空間は豊かになっている。

2階は、LDKを一室空間とし柱型・梁型など違和感のあるものを極力感じないようにシンプルな空間として創りこんだ。ここでの既存アルミサッシは、都市との関係をばっさりと切っているように思え、障子のやわらかい光でゆるやかな距離感とすることで気持ちまで落ち着いてきた。吟味を重ねていくと、いつも以上に小さな把手・金物まで気になってきた。この空間は温かいが緊張感のある(ウォームタイトな)空間になっている。

ロゴ・ファサードデザインについては、サイン計画の指向が強かったと今となっては思っている。様々なアイデンティティを考え、提案し対話したが収束に向かうほどのものはなかった。最終的には当初 話していたものに近づいたと思っているが、ここに行き着くまでの対話がなければ到底できあがらないものとなっている。(長井)